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2007年7月のホールのシマ状況は一変しました。人気機種である「秘宝伝」「押忍!番長」「北斗の拳SE」などが撤去され、真新しい5号機に入れ替わったからです。本格的な5号機時代の幕開けとなった訳ですが、同時に売上や粗利の減少に直面したホールの台所事情も厳しくなっていると伺います。それを受けて「粗利確保のためにパチスロの交換率を引き下げたい」とか「高設定をより多く入れることによる集客効果を狙って交換率引き下げたい」というような相談が多くなって参りました。そこで今回は2007年6月度に実施したプレイヤーアンケートの結果から、「パチスロ交換率引き下げの是非」について考えます。



1.パチスロ交換率に関するプレイヤーアンケート
表1は2007年6月度に実施したアンケートで、プレイヤーの好むパチスロ交換率を調査したものです。

このグラフを一見すると、全体の約8割弱の人が等価交換(5枚)と回答しており、また6枚交換、7枚交換・・というように交換率が下がるほど回答率は低くなっていることがわかります。

次に、このアンケート結果をもっと詳細に見てみることにします。  
表2は表1の回答状況を「年齢・性別」、「パチンコ派・パチスロ派」、そして「ホールへの来店頻度」別に分析したものです。
まず「年齢・性別」回答状況を見ると、等価交換を支持しているのは男女を問わず20代〜30代の人たちであり、この世代の等価交換支持率は平均で約83.5%と非常に高くなっていることがわかります。
一方で40代〜50代の人たちの等価交換支持率平均で約71.3%と高くはなっているものの、それ以外の交換率(6枚〜10枚交換)を好む人たちも平均で28.7%(=1/4以上)と無視できないレベルの数値となっております。
次に「パチンコ・パチスロ派」別回答状況を見てみます。

パチスロしかやらない人、そしてパチスロの方を多く遊技する人(以上、パチスロ派)の等価支持率が平均で約85.5%となっているのに対し、パチンコの方を多く遊技する人(パチンコ派、パチンコしかやらない人には回答をさせていない)の等価支持率は71%と若干低くなっていることがわかります。
最後に「ホールへの来店頻度」別回答状況から、

「ほとんど毎日来店する」というヘビーユーザーの等価支持率が85.7%、また「1週間に2〜3回来店する」又は「1週間に1回来店する」というミドルユーザーの支持率が平均80.5%と非常に高くなっている一方で、「1ヶ月に2〜3回」又は「1ヶ月に1回来店する」というライトユーザーの支持率は平均75%と低めの数値になっている事が見てわかります。



2.パチスロ交換率引き下げの是非
以上のような数値の差はどのような要因で生まれたのでしょうか。

ちなみに今回の調査では、「パチスロ交換率」という概念を理解しづらいと思われる高年齢者層や女性客、ライトユーザー向けの説明として、『パチスロのメダルの景品交換率は、店によって異なりますが、一般的に次のような傾向があります
。交換率が高い店は、メダルが出にくいが、大勝ちがある。交換率が低い店は遊びやすいが、大勝ちしにくい。メダルを借りる際は、1000円でメダル50枚(100円で5枚)です。』というような注釈を入れました。
これは言葉を変えれば『あなたは「ギャンブル志向=高交換率志向客層ですか」それとも「時間消費型=低交換率志向客層」ですか』ということとなり、
この言葉を借りれば今回の調査結果は容易に説明がつきます。

つまり、4号機時代のAT機やストック機、大量獲得機など、いわゆるギャンブル機に慣れた20代〜30代の客層(=パチスロ派を支える層)や来店頻度の高い層(ヘビーユーザーやミドルユーザー)のギャンブル志向は依然として強いということです。
仮にこれまでの機械に比べて大幅に射倖性が制限された5号機で、突如交換率を恒常的に引き下げるというような営業方針の転換を行った場合、これらの客層が一気にお店から離れる危険性は否めません。
特にこれらの客層に支えられてきた「パチスロ専門店」や「ギャンブル客層が多い店舗」は注意が必要です。一方で、4号機時代でもギャンブル機よりもむしろノーマルAタイプを遊技していた
40代〜50代の客層(=パチンコ派が多い)や来店頻度の低い層(ライトユーザー)には、ギャンブル志向というよりもむしろ時間消費型の「遊び」を求める人が約1/4程度は存在するということになります。
交換率を引き下げるとすれば、これらの客層の比率が比較的多い「パチスロ設置台数の少ないパチンコ・パチスロ併設店」が妥当なのかも知れません。

但しこれに該当する併設店であっても設置機種には十分な配慮が必要です。高度な目押し技術や内部システムに関する知識を必要とする機種を提供した上に粗利確保のみが先走りして機種特性を理解しないまま「設定オール1」というような営業をした場合、対象客層の望むものとは大幅にズレが生じることになり、一気に客離れを起こす恐れがあるからです。



3.交換率を引き下げるためには来店客の理解が不可欠











・表3〜表6は各機種の設計値をもとに、7000ゲーム×100,000日のシミュレートを行ったもの
・フル攻略とは、小役取りこぼしなし、最適手順での遊技を行った場合
・技術介入差とは、フル攻略時と適当打ち(オヤジ打ち)との格差
・AT・RT中の欄に「+α」とあるのは、リプパン外しなどのようなサブ基板による出玉性能のため技術介入差が計算不能であるもの。
実質的には目押しや知識により大きな格差が生まれるもの。

冒頭に述べたパチスロ交換率引き下げに係る2つの動機、すなわち「粗利確保のための交換率引き下げ」と「高設定をより多く入れることによる集客効果を狙った交換率引き下げ」は、全く正反対のものです。
それは、前者はホール側の都合によるものが多く、後者はどちらかといえば来店客寄りの立場となるためです。

集客を伴った永続的かつ健全なホール経営という観点でいえば、交換率引き下げの建て前は来店客寄りの立場、すなわち「パチスロで一番面白いと言われている設定6を遊技する機会を一人でも多くの人に提供したい」「設定を平均化することにより手軽に長く遊んでもらいたい」という事にあるべきだと思われます。

問題はこの大義名分を如何にして来店客に理解してもらうかであります。来店客は少なくとも自身で高設定の出玉を体感するか、いつも周囲でドル箱が積まれている、又はいつもよりも遊べるようになったという状況を肌で感じない限り、交換率引き下げを支持するまでには至らないからです。

既存店でこの状況を作り出すためには、毎日来店するヘビーユーザーから1ヶ月に1回しか来店しないライトユーザー、またこれから店舗の新規客として取り込もうとする新たなライトユーザーまで、全ての来店客に対する告知が必要となり、それ相当の広告宣伝費と長期間の高割数営業が必要となって来ます。

そう考えれば多数の新規客が訪れ、不特定多数の人に対してメッセージを発することのできる新規オープン店は低交換率を試す良い機会であるともいえます。
では既存店で来店客の支持を得つつ、スムーズに交換率を引き下げる方法はないものか、ここでイベントの活用を提案させていただきます。

店舗でもっとも集客の見込める日(幅広いユーザーの来店が見込める日)に「全台高設定、8枚交換」というようなイベントを打つ事です。

表3〜表6を見てもわかるように、5号機には4号機に負けず劣らずの性能(最大出玉率・最大持玉数)を持った機種が多く存在します。
ギャンブル性を好み等価交換を支持するプレイヤーであれ、時間消費型のプレイヤーであれ、パチスロを遊技する人であればこれら機種の高設定、特に設定6を一度は体験してみたいものです(この傾向は2006年10月アンケート調査で実証済み、例え10枚交換でも設定6を遊技してみたい人が40%強)。

定期的かつ継続的なイベントにより一定の集客効果が見込めた時、それは来店客の理解が得られたことになり、前出の大義名分を広くメッセージとして伝えた上で交換率の引き下げが可能となるのだと思います。

この原稿を書いている7月14日現在、パチスロ機の検査基準がさらに厳しくなることが決定されております。対象となる遊技機はARTを駆使した機種、完走型RTやリプパン外しを搭載した機種は勿論のこと、チャンスゾーン搭載型機種や演出用RTを搭載する機種まで幅広くなっております。

これらの機種において最大出玉率を得られる遊技方法を明示する資料を添付しなくてはならなくなったため、少なくとも現行の5号機よりも出玉率の面でも最大持玉数の面でも大幅に制限された機種しか検定を通過できないものと思われます。

差玉を見せやすい旧基準4号機や旧5号機が設置されている現在が交換率引き下げのラストチャンスであると思えてなりません。


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